検査事務所便り

 

性能検査時における事例紹介⑥

(長期停止中の貫流ボイラーの腐食事例)

 

1.概要

 先端可動式デジタル内視鏡を使用して、長期停止中に発生した貫流ボイラー水菅内部の腐食事例を紹介する。

2.事例1

  多管式貫流ボイラーで、28年経過し、最近は使用頻度も少なく、1年に1度も使用しない時期もあった。(最高使用圧力30Kg/c㎡、伝熱面積7.98㎡)

  写真1-1と1-2に示すように上部下部の管寄せ及び写真1-5と1-6に示すように水管内部には厚いスケールの付着が認められ、水面下ではところどころに写真1-3と1-4に示すようなさびこぶが認められる。

     写真1-1

     写真1-2


     写真1-3

     写真1-4


     写真1-5

写真1-6


3. 事例2

  発電機の廃熱を利用した廃熱貫流ボイラーで15年経過し、発電機の稼働が減り、一年間使用しなくなった。(最高使用圧力0.98MPa、伝熱面積42.7㎡)

  写真2-1に示すように上部水管内部にはスケールの付着も腐食も認められないが、写真2-2から2-5に示すように水面下では孔食が認められる。

     写真2-1

     写真2-2


     写真2-3

     写真2-4


     写真2-5


4. 考察

   ボイラーの停止中による腐食原因は、ボイラーを停止し、ボイラー水の温度が低下するにつれて系統内の圧力も低下し、負圧となり空気が侵入し、長期に停止している間にスケール等の被膜の欠陥部にさびこぶが発生し、腐食が進行したものと思われる。

   運転中ではボイラーの防食対策としての清缶剤・脱酸剤による水処理により金属表面を不活性な雰囲気で保護する処置(還元剤などの添加、窒素の封入、保護被膜の形成など)が行われているが、停止中では清缶剤・脱酸剤の供給がなく、腐食措置がされていない。

   防食対策として停止中でも何らかの方法で清缶剤・脱酸剤をボイラーに注入し、定期的に清缶剤・脱酸剤を追加する方法が考えられる。

   ある事業所での停止中の防食対策として、窒素封入による方法が効果的な結果を得られている事例があった。

 

5. まとめ

   スケールの付着により被膜の形成による防食効果が期待されるが、防食被膜としての効果が無いため、スケールの被膜の欠陥部からさびこぶが発生し孔食を発生させる原因となる。

   停止中は清缶剤・脱酸剤の供給もなく、腐食が発生する環境なので、停止中でも清缶剤・脱酸剤を供給するか、窒素封入する事により腐食防止を行うことが必要である。

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