検査事務所便り

 

性能検査時の事例紹介①

 

 

 性能検査ではすべて完全合格ではなく、補修指示、不合格の判定も時にはあります。

その中でも、検査数の多い“炉筒煙管式ボイラー” “液体加熱器”の事例を紹介します。

 

1.炉筒煙管式ボイラーの漏れ

         写真Ⅰ

 

        写真2


本ボイラーは食品殺菌加熱用に蒸気を使用するボイラーであり、ボイラー水は軟水器を設置し水処理を行っている。軟水器の管理が不十分であり、缶内にスケールが著しく付着(写真1)し、煙管取付部は過熱により漏れが発生した(写真2)。

 性能検査は、検査前に煙管を全数取替えて合格となった。

 幸いにも事故には至らなかったが、過熱による損傷以外にボイラー効率を著しく低下させることから、水処理には十分気をつけるべきである。

2.ストレージタンクの割れ

          写真3

本圧力容器は給湯用の第一種圧力容器であり、SUS304製である。

性能検査において内部に傷が認められたため、外部の保温を取外してみたら、写真3の様な漏れ跡が認められたため不合格となった。

(割れが貫通しているため)

この割れは、応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack)と思われ、原因としては,

(1)タンクに生ずる引張応力

  内部の水圧による応力、溶接の残留応力、鏡板型成加工による残留応力

(2)塩素イオンの濃縮

  内部の温水は一般的に水道水であり、温水循環不十分な箇所は塩素イオンが濃縮され、応力 腐食割れが発生しやすい。

対策としては、

(1)材質の改善・・・ニッケル含有量の高い材料(316L)、応力腐食割れに強い材料(SUS444)等を選ぶ。

(2)電気防食の利用・・・流電陽極法、外部電源防食法などで溶接部を集中的に保護する。(3)使用環境の改善・・・内部の温水循環をラインポンプ等の設置で循環の悪い部分をなるべく出来ないようにする。

当協会では、クラックテスターという検査機器を導入し、ステンレスの割れを早期発見できるように努力しております。

第9回通常総会が開かれました


2021年5月18日(火)に第9回通常総会が開催されました。令和2年度の決算報告と令和3年度の事業計画並びに予算等について承認されました。

前回の理事会で新事務局長が承認されたように、総会においても満場一致で新事務局長 村上 充氏が承認されました。

愛知労働局からのお知らせ

熱中症を防ごう!

~ “ 全国ワースト1” 返上に向けて ~

 愛知労働局(局長 伊藤正史)は5月11日に愛知県内43の建設業者の社長・支店長に対し、また、5月12日に愛知県内の建設業労働災害防止協会愛知県支部ほか13の労働災害防止関係団体に対し、“熱中症予防対策の集中的な取組”について要請を行いました。

 また、要請に先立ち、5月10日には、㈱大林組(仮称)名古屋造形大学移転新築工事建設現場に対し、熱中症予防のための公開パトロールを実施しました。

 

 令和2年の愛知県内の就業中の熱中症は、死亡4人、休業4日以上88人、合計92人と、過去10年間で最多となり、全国ワースト1という残念な結果となってしまいました。

 熱中症の発生には、暑熱環境への順化が大きく影響しており、暑熱環境への順化が進んでいない5月には気温25度以下でも発生しています。そこで、愛知労働局では5月に熱中症予防対策の集中的な取り組みを行うこととしたものです。

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【建設業】

 過去5年間に建設業で発生した熱中症45人の発生状況をみると、

・建築工事業は5年間で21人発生しており、最多である。

・土木工事業は15人中60%に当たる9人が、死亡又は休業1週間超えと重篤化している。

・その他の建設業は9人中44%に当たる4人が、死亡又は休業1週間超えと重篤化している。

 建設業は、その業態から大多数の熱中症が屋外作業で発生しており、重篤化する割合も高い。中  でも直射日光を受けやすい土木工事業等での重篤化が目立つ。

  また、他の傾向として、作業中でなく、作業終了後である休憩中、片付け中、帰宅後などに発症したものが多いことがある。作業後等に発症したもののうち2人が死亡、約半数が休業1週間超えとなっている。これらは体調の異変を感じながらも作業をやり切ったものと思われ、結果的に重篤化したものも多い。

 

【製造業】

 過去5年間に製造業で発生した熱中症86人の状況をみると、

 ・輸送用機械器具製造業が最も多く、次いで金属製品製造業、化学工業、窯業・土石製品製造業、一般機械器具製造業、鉄鋼業などが続く。

・発生件数に対し、死亡又は休業1週間超えとなった重篤なものの割合が高い業種は、化学工業、窯業・土石製品製造業、輸送用機械器具製造業等であり、暑熱な職場環境との関連が窺える。

・一般機械器具製造業の約半数が、出張先でのメンテナンス作業中に発生したものであるが、他の業種では、大部分が事業場内で発生している。また、運搬、清掃、保守作業等が一定割合みられるが、多くは、ライン作業等、通常の製造業務中に発生している。

  また、他の傾向として、熱中症86人中17人は、業務を終えて帰宅後等に熱中症を発症したものである。そのうち8人は、休業1週間超えの重篤なものとなっている。これらは、作業中に体調の異変を感じながらも作業をやり切り、結果的に重篤化したとみられ、早期に医療機関を受診するなどの対応で、軽症化が望めたものと思われる。

 

【運輸交通業】

 過去5年間に運輸交通業で発生した熱中症47人の状況をみると、

・大多数が、荷物の積込み、積卸ろし、荷捌き中に発生している。

・荷物の積込み、積卸ろし等を行った後、すぐに車輛の運転を開始し、気分が悪くなった事例もある。

・宅配便業者の労働者の場合、運転と荷運びを繰り返すため、発症時期が明確でない。体調不良のまま最後まで作業を続ける場合が多く、重篤化した事例もある。

 特に、運転中の労働者が発症すると、交通事故など二次災害の可能性がある。

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熱中症は、危険源が暑熱環境であることが明らかであり、当該環境へのばく露低減が予防の基本です。対策の基本は、現場にWBGT値(暑さ指数)測定器を備えて、作業場所の状況を把握することである。WBGT値を把握し、身体作業強度、熱順化の度合い等と併せて評価・管理することで、科学的アプローチが可能です。

 具体的な対策手段としてはWBGT値の低減を図ること、熱順化期間を確保すること、作業時間の短縮、休憩時間の確保や、ほかの作業との組み合わせ等により、暑熱ばく露時間を短縮すること等が考えられます。

 また、一方で、作業終了後に発症(重篤化)した事案が多いことから、日々の体調管理と併せ、体調の異変を感じた労働者を早期に発見し、あるいは労働者自身に早期に申し出させ、発症や重篤化の防止にも努める必要があります。

 これら趣旨を踏まえ、“全国ワースト1”返上に向け、早期からの熱中症対策への取組をお願いします。

 

◆熱中症防止対策パンフレット“熱中症を防ごう!”

 

https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/pamphlet_form/anzen_eisei.html

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