Ⅳ ボイラー取扱作業主任者・第一種圧力容器取扱作業主任者

最後に、作業主任者について説明します。

 

繰り返しとなりますが、一定の能力や大きさなどを有するボイラーや第一種圧力容器を取扱う業務を行う場合は、免許を有し、あるいは技能講習を修了したという「資格者」が取扱うほかに、作業を管理する者として「作業主任者」の選任が必要となります。

 

作業主任者の選任とその職務の遂行にあたり、次のように取扱われます。Q&Aでご説明します。

ボイラー室ごとの選任】

 Q:ボイラー取扱作業主任者は、

ボイラー室ごとに選任が必要ですか?

 A:定置式ボイラーにあってはボイラー室ごとに、移動式ボイラーにあってはボイラーごとに1名選任が必要です。ただし、ボイラー室が近接しており、作業主任者として法定の業務が、どちらのボイラー室においても遂行できることを前提に、別の作業主任者を選任する必要はありません。

 

【ボイラーと一圧作業主任者の兼務】

Q:ボイラー取扱作業主任者と第一種圧力容器取扱作業主任者を兼務させることは出来ますか?

A:ボイラー取扱作業主任者と第一種圧力容器取扱作業主任者との兼務は、それぞれの法定の職務が遂行できる場合に限り、差し支えありません。

 

【ボイラー取扱作業主任者以外の業務との兼務】

Q:ボイラー取扱作業主任者を、ボイラーの取扱以外の業務に兼務させることはできますか?

A:ボイラー取扱作業主任者が不在の時でも、そのボイラーの取扱いを有資格者が行っているのであれば、作業主任者は、作業主任者として法定の業務が遂行できることを前提に、不在であっても、別の作業主任者を選任する必要はありません。

 

【交替勤務時の選任】

Q: ボイラーを昼夜連続運転する場合は、ボイラー取扱作業主任者を直毎に選任する必要がありますか?

A:ボイラー取扱作業主任者が行うべき法定の職務が遂行できるときに限り、必ずしも番方ごとに選任する必要はありません。
 なお、ボイラー、第一種圧力容器、乾燥設備以外の「作業主任者」(参考:表1)は、法定の職務に「作業の直接指揮」があるため、交替制勤務の場合は、番方ごとの選任、つまり複数の選任が必要です。 

 

なお、ボイラー及び圧力容器の場合は、ボイラー免許を有し、あるいは技能講習を修了していることが作業主任者の資格となります。ただし、能力や大きさなどの違いにより求められる資格が違うことに注意してください。

 

各事業場が設置するボイラーや圧力容器を取扱う際に作業主任者の選任の有無が不明な場合は、お気軽にボイラ協会愛知支部(電話番号:052-784-8111)へお問い合わせください。

 

参考として、ボイラ取扱作業主任者の職務を紹介します。

 一 圧力、水位及び燃焼状態を監視すること。
 二 急激な負荷の変動を与えないように努めること。
 三 最高使用圧力をこえて圧力を上昇させないこと。
 四 安全弁の機能の保持に努めること。
 五 一日に一回以上水面測定装置の機能を点検すること。
 六 適宜、吹出しを行ない、ボイラー水の濃縮を防ぐこと。
 七 給水装置の機能の保持に努めること。
 八 低水位燃焼しや断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検し、及び調整すること。
 九 ボイラーについて異状を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
 十 排出されるばい煙の測定濃度及びボイラー取扱い中における異常の有無を記録すること

  ボイラー等の資格について、日本ボイラ協会本部のHPでもご紹介しています。さらに知りたい方は、そちらもご覧ください。